2014年第3回定例会 西田 武史 の質問より 学力向上対策編

学力向上対策について、西田さんと同じような質問を、岸和田市にしてみました。

学校教育課の回答:
2013年度は、小学校2校(24校中)、中学校7校(11校中)で土曜授業を実施。
中学校は、光陽・野村・桜台・葛城・土生・北・山滝です。
小学校は、城北・八木北です。

平成25年11月に学校教育法施行規則の一部が改正され、公立学校において、当該学校を設置する地方公共団体の教育委員会が必要と認める場合は、土曜日等 に授業を実施することが可能であるということが明確化されました。

その背景として、土曜日に、児童生徒にこれまで以上に豊かな教育環境を提供し、その成長 を支えることが重要であり、そのためには、学校、家庭、地域が連携し、役割分担しながら、学校における授業や地域における多様な学習、文化やスポーツ、体 験活動等の機会の充実に取り組むことが重要とあります。

また、土曜日の教育活動の中で、児童生徒の代休日を設けずに、土曜日を活用して教育課程内の学校教 育活動を行うことを「土曜授業」と位置づけられています。
そして、昨年度、岸和田市において、代休日を設けない土曜授業を実施したのは、中学校 7校、小学校2校でありました。
内容としては、教科や道徳の授業、その他体験活動、地域やPTAの方々による活動、授業参観等が行われました。
内容は、 各校によって異なっていますが、学校教育法施行規則の中に、総合的な観点から土曜日の教育環境の充実に取り組むこととあるように、各学校は実情に応じた取り組みを行っています。

それと同時に、土曜日の地域や家庭で過ごすということも週5日制の趣旨でありますので、各校区、各学校、地域の独自性を尊重するこ とも大切であると考えています。
また、各校への来年度の土曜日等における授業の実施調査結果からは、小学校では代休日を設けない学校は0校で、中学校では体育的行事や文化的行事などが主な実施予定という内容です。

(土曜授業を行っている学校の)選定基準ですが、市教委で選定や指定等は行っておらず、各学校の 独自性や特色に応じて実施しています。
実施内容につきましては、土曜授業の規定に基づいているかや実施時期、取組内容は市教委で調査等を含めて把握しているところです。
(回答終わり)

この質問では、西田さんの質問能力のなさを断罪しておきます。
彼は、表題にあるように、「学力向上対策」としてこの質問をしていますが、教委の回答は、補習授業ではなく、年間計画で提出・実行された、授業参観や体育祭などのうち、そこに代休日を設けないものを「土曜授業」と呼んでいるのです。
これは、ほぼ全ての学校もやっているが、代休を取っている学校ではそう呼んでいないだけなのです。

彼が頭に描いていたものは、杉並区立和田中学校で、都内公立中学校で初の民間人校長である藤原和博(リクルート出身)氏が、2008年より3年生を対象に 行い始めた、『夜スペ』と名付けられた補習授業や、教員志望の大学生・院生ボランティアによる「土曜日寺子屋」(ドテラ)でしょう。
私もそう考えて質問しました。

ところが何度もやり取りをして、よくよく聞いてみると、「土曜授業」は、そのような補習授業ではありませんし、その開催予定もないとわかりました。
それに近いのは、小学校全校で、平日放課後(週1~2回程度、夏休みなども含む)、アドバイザー(時給1600円)を派遣して、放課後学習をしているものです。

別の「補習授業」もありますが、こちらは、毎月第2・4土曜行われている、障がいのある児童と、地域の人々をつなぐ催しを主体とした指導員派遣事業で、幼 稚園から中学生、大人も参加し、学習・コミュニケーション・交流の場として、楽器演奏、手話、クリスマス会などを行っていますので、これも違います。

ここまで回答を引き出した上で、「NPOなどが各地でやっているような、生活保護利用世帯や、低所得世帯、1人親家庭などの中高生を対象にした学習支援や、それを通じて見えてきた子ども達の背景にある課題に対して、 家庭・学校等と連携しながら、解決への取り組み支援ができないか?」と質問し、実行へ向けての道を開くべきでした。

今すぐにでもできることで言えば、教室や設備の貸し出しや、担任もその支援に関わるなどがあるでしょう。

岸和田でも既に、府のHPで、『野村中学校区の学校支援の取組み』
として紹介されている取り組みがあります。

★週に2回来校する「ふれあいボランティア」による、休憩時間や放課後の傾聴(子どもたちの話を聞く)活動。

★学校支援ボランティアによる、中学1年生から3年生を対象とした定期テスト前の放課後学習を支援。

これを拡大して、地域と学校、教員志望の大学生などや、図書ボランティアも含めて、幅広く結んでいけば、学校はより地域に開かれますし、様々な問題も小さいうちに解決へと向かうでしょう。

西田さんの教育への質問のメインは、2番目の「道徳」教科化と、『教育勅語』や『修身』をモデルにさせようとする質問でしょう。
私はそのような戦争へ通ずるような、年長者などに奴隷のように服従するだけの厳しさを、子どもたちに押し付けるのであれば、「あなたが率先して自衛隊に体験入隊して、厳しいレンジャー訓練も体験し、修了バッジでも受け取ってからにしなさい。」との言葉を送ります。

そしてこの言葉は、彼だけでなく、御堂筋でヒノマルを振って喜んでいる、悪乗りの岡林憲二さんにも、同様の考えであろう稲田悦治さん、井上源次さん、山田幸夫さんらにも謹呈しておきます。

子どもは、あなた方のおもちゃではない!

追加:

小中一貫校は、過疎地の統廃合で始まったものです。

高評価が出てはいますが、母数が少なすぎるのと、過疎地と都市部では周辺の生活環境が異なります。

つまり住民同士が知り合いである山村でやって成功したからと言って、隣が誰かも不明な都市部で成功するかは全く別問題だということ。

それをどう岸和田市なりに当てはめていくかが、市議の調査と平場での教委との交渉であったりするわけですが、西田質問にそんなものは見受けられません。

 

 

2014年第3回定例会 西田 武史 の質問より 道徳編

西田さんの教育関連質問3連発、あと2つの質問も取り上げます。

1問目はこれです。
『2014年第3回定例会(9月議会) 西田 武史(無所属クラブ)の質問より 小中一貫校編』

道徳教育についてですが、
そもそもこの教科化は、2011年の大津市の中学生自死事件など学校の深刻ないじめ問題が注目されて、道徳教育の不十分さが背景にあるとも論じられたのが発端。

道徳の教科化は、ナショナリズム的愛国心教育が志向された06年の教育基本法改正とともに、戦後教育の改革に熱心な安倍晋三首相の宿願ともいえます。

首相直属の教育再生実行会議が、いじめ防止策の必要性と絡めたり、文科省の有識者会議も、「道徳性は極めて多様な心情、価値、態度などを前提としているか ら数値による評価は不適切」として、点数ではない記述式の評価を導入する案を打ち出し、中教審(中央教育審議会)が異論を唱えにくい内容で教科化を後押し するなど、その手法には周到さもうかがえます。

教科化は、2018年度にも実施の見通しですが、国が今年度、教科書検定基準を改め、「愛国心」を養うなどとした改正教育基本法の目標に照らした審査を強めているのを見ても、安倍政権の意向に沿った、教科書によって、特定の価値観が押し付けられる危惧があります。

しかも、教科化されても、いじめが減り、道徳心を養えるわけではありません。

今津孝次郎 名古屋大学名誉教授(教育社会学など)は、『学校と暴力』で、文科省の「いじめ件数調査」は、過少申告が考えられるが、傾向はつかめるとして、解決策も含め、こう書きます。

小学校高学年から件数が増加し、中学校でピークに達し、高校になると減少する。
これは独り立ちの課程で、不安定さに伴う攻撃性による特徴的な問題行動を帯びやすい思春期を、通り過ぎていく時期と重なっている。

解決策としては、学校の対面ばかり気にするのでなく、表面的な対策ではなく、善も悪も持ち合わせる人間そのものを見つめる深いまなざしを、まず大人たちが培うことではないか。

具体的には、毎年の恒例行事として、新たな学校構成員がそろう春の時期、校長のリーダーシップの下に、学校独自のポリシーを、全教員が知恵を出し合って「全校基本政策」案を出す。次に、それを文書として策定する際に、生徒や保護者を含む、学校の全構成員が参加する。

それに基づき、個々の学級内のルールも生徒に明確に伝え、クラス全体で取り組む課題と各人が取り組む課題を提示。

保護者との交流広場として、学級通信を毎週発行することなどで、学級崩壊に近かったクラスも立て直され、いじめもなくなっていく。
(引用終わり)

西田さんの方向性は、これとは全く逆行していると言ってもよいでしょう。

いじめ自死について数字もお知らせします。
1984年度から2010年までの27年間で、文部科学省(文部省)が、いじめが原因の自死としたのは60人(2005年度までは公立学校のみ)。

同時期に報道されたいじめ関連の児童生徒の自死者数は225人(NPO法人ジェントルハートプロジェクト 武田さち子調べ)。
(1974年から2011年までの38年間では246人)

これらについての岸和田市 学校教育課の回答:
いじめによる児童生徒の自死の件数 平成24年度以前はいじめによる自死についての調査がなかったため、データとしては残っていませんが、学校からの報告では、そのような事案は確認していません。

平成24年度以降は、いじめ調査の中に「児童生徒の生命や安全に関わる重大事態」として、自死などの重大事態の件数を計上することになっていますが、現在までのところ計上されていません。

いじめでない児童生徒の自死の件数 いじめでない児童生徒の自死の件数についての調査がないため、データとしては残っていませんが、学校からの報告では、そのような事案は今まで確認されていません。

いじめの認知件数     H22 H23 H24 H25 H26※
小学校  19 27 47 45 6
中学校 24 12 32 29 11
※H26は1学期のみのデータになります。2学期までは現在集計中です。

上のデータは、あくまでも認知件数(学校がいじめを認知し指導を行っている件数)です。
つまり実際にいじめがおこっていても、教員が発見していない、本人や 保護者、周囲の児童生徒等からの相談や訴えがない等の理由で、学校が認知していない可能性は、現状では拭いきれません。

ただし、今までもいじめについては過小評価せず指導してきていますが、特に大津の事件があった平成24年度以降、軽微なものであってもいじめとして認知し指導しています。
その前提となる教員の認知力を高めるために、各校や委員会で研修等も行っているところです。

また本人や保護者、周りの児童生徒等が相談しやすいよう、学校は質問紙による定期的な調査や教育相談の体制づくり、相談しやすい雰囲気づくりにも取り組んでいるため、いじめがおこってしまった場合でも、情報が学校に入りやすい状態になっていると考えています。
(回答終わり)

岸和田市内で大きな問題が起きておらず、なによりでした。

このような背景の下、西田さんが聞きたかった焦点がどこにあるのかわかりませんが、私は安倍首相の進めるナショナリズム的愛国心教育を伴った、『教育勅語』や『修身』を念頭においているのではないかと思えてなりません。

『教育勅語』は、1890年(明治23年)に発布され、『修身』も同時期に教科として、ともに1945年の敗戦まで存在しました。

これがいかに時代にそぐわないかを、国際社会において合意されてきた諸原則で示します。
国際連合憲章(1945)
世界人権宣言(1948)
国際人権規約(1966)
友好関係原則宣言(1970)
子どもの権利宣言(1959)と子どもの権利条約(1990)
平和の文化に関する宣言・行動計画(1999)

このような原則の下、ようやく日本でも、多文化共生や、命の大切さ、人権尊重などが広まっている過程ですが、『教育勅語』や『修身』をモデルとするような、個々の人間よりも国家重視の道徳教育は、時代に逆行するものとして、とうてい認められるものではありません。

2014年第3回定例会(9月議会) 西田 武史(無所属クラブ)の質問より 小中一貫校編

小中一貫校について、調べてみました。
教育分野には不勉強なので、頭に思い浮かんだのは、トヨタ自動車、JR東海、中部電力など中部財界の力を結集し、200億円以上をかけて設立された、全寮制の中等教育学校「海陽学園 」。

このエリート校は、中高6年間で、費用は約1800万以上と言われます。

これを公教育がやるべきかと勘違いをしながら調べ、先駆者である大阪市に聞いてみました。

大阪市教委 指導部中学校教育担当回答。

小中一貫校の取り組み:
2011年度より進めており、2012年が初。

現在の関わりは浅いが、小学校の教師が中学校の授業を受け持ったり、中学校の教師が小学校の授業に参加し、小学校の教育内容の理解を深めたりしている。
また、小中学校が合同で行事を行ったりすることで児童生徒同士が交流を深める取り組みを、大阪市全てで行っている。

近隣の各校で行っているが、もっと一貫性を高めるため、施設一体型に向けて進んでおり、来春で3校目となる。

メリット:
なじめない中一ギャップの緩和や、それに起因する不登校の防止につながっており、各学校へのアンケート調査でもデメリットは今のところ報告されていない。

今年行われた文部科学省の全国アンケートでも、9割の市町村で効果ありとされている。

教育行政内でも、他の政策よりも優先すべきか:
学力・体力・心の成長を目指して、貧困の問題や、昼夜逆転しているなど「しんどい家庭」の援助も必要だが、教育分野でも手をこまねいているわけではなく、行っていくべきだと考える。

経費について:
現在の経費は、自治体の独自財源で賄われており、国は制度化を検討中なので、自治体の体力と相談ですが、校舎をそのまま使えば、費用も削減できるなど、工夫の仕方もあるのではないでしょうか。

調べてみて、私の不勉強による勘違いも訂正できましたし、
大赤字の岸和田市では、経費に問題はあるものの、推進すべき施策で、問題提起の意味では良い質問でした。

具体的に◇小と△中で連携できないかとか、和泉市立南横山小学校で行われている、市内全域から通学が可能な小規模特認校でのプチ山村留学にまで踏み込めていれば、更に質問の質が上がったと思います。

2014年05月08日付 春夏秋冬 自然が教室 : 地域 : 読売新聞
では、自然や他者への思いやりを身につける、教育の実践が記事になっています。

小中一貫校では、建物の問題があるので、連携型が多いのですが、理想的なのは併設型でしょうね。
説明をウィキペディアより引用します。

連携型小中一貫校
主に、地域の結びつきの強い中学校とその地域の小学校が連携して取り組む事例が多い。
小学校の教師が中学校の授業を受け持ったり、中学校の教師が小学校の授業に参加し、小学校の教育内容の理解を深めたりする。

また、小中学校が合同で行事を行ったりすることで児童生徒同士が交流を深めている。
ただし、国立中学校や私立中学校、都道府県立中学校に進学する者や連携小学校以外からも児童が入学してくるため、他のタイプに比べて大幅なカリキュラムの変更ができないという欠点がある。

併設型小中一貫校
同じ設置者(市町村)が小学校と中学校を併設し、接続して小中一貫教育を行うもの。特徴は他の小学校からもその中学校に進学できることである。
中学校では内部進学生と外部進学生が切磋琢磨して学校生活を送る。
基本的に併設されている小学校の児童はそのまま中学校に進学するが、国立中学校や私立中学校、都道府県立中学校を受験する道は閉ざされていない。