映画 ハクソーリッジ 反戦映画でなく・・・

普天間飛行場も見渡せる、首里城から北東4kmにある浦添市の前田高地が舞台となっているが、映画の中では牛島満・中将が自決する場面が出たり、遺骨収集を途中でやめさせて造成した、那覇市おもろまち(那覇新都心)なシュガーローフと混ぜて、沖縄戦の戦場を映像化した作品であった。
イラク戦以後、ネット上でスナッフ映像があふれるようになった。
ドキュメンタリー映像としての戦場やマフィア同士の抗争、その巻き添えとなった市民の被害もそうだ。
ただし、それらは殆どが殺す側から撮られている。
生き残った側からしか映像提供はできないからだ。
私は一般の人よりもそんな映像を多めに見てきたと思っている。
ともすれば、そんな殺す側からの目線を、どう殺される側として視点の変更を、想像力や共感力など、当事者により近い立場から見つめなおせるかについても、資料を基にしながら逡巡を繰り返してきたつもりではある。
本作の評判では、その30分間にわたる戦場シーンの悲惨さが『プライベート・ライアン』以上の映像であると描写されているものを見かける。
殺陣のように「やられたぁ~」といった感じではなく、今すぐ隣で話していた同僚の頭が吹き飛び、爆薬で脚がちぎれる場面の連続と、内臓が噴出し、顔面や傷口に蛆がわく。
臭いまで漂ってはこないが、現在日本社会で遠ざけられ、ほぼ感 じることのない死や、今も世界で存在し、自衛官が心理的精神的ダメージから自死を選ばされるような戦場について、ある程度は体感できるだろう。
本作の主人公は、デズモンド=ドス。
キリスト教の一宗派であるセブンズデー・アドベンチスト教会の熱心な信者で、それは戦場で肉の缶詰をいかにも兵士然とした同僚のスミティ=ブレイシーに上げる場面からでも菜食主義者とわかる。
訓練で軍法会議にかけられ、不名誉除隊となるとしてでも銃を持たず、戦場でもその信念の通り「命を奪うのでなはく、救いたい」として、衛生兵として居続け、生き残った。
その信念は、ただ一人戦場に残って負傷米兵を助けただけでなく、負傷日本兵をも同様に助けたことからもそ の強さが伺われる。

しかし、これは反戦映画ではない。
むしろ作品メッセージは、戦争の後方支援映画である。

ドスは当初、軍需工場で働いていた。
そこで徴兵を免除されていたが、友人らが徴兵され、死の報が届くので、いてもたってもいられず、祖国防衛のためとして志願するのだ。

つまり戦争やる気満々なのである。

そこで銃に触らないのも自分の信仰のためで、反戦の意図など絶無だ。
だからこそ(軍法会議の不名誉でなく、通常の)除隊でなく、衛生兵としての戦場派遣を望み、勝ち取る。

戦場での衛生兵は、銃後の備えのようなものだ。
負傷兵を回復させて、また戦場へと送り出す。
又は、祖国に戻っても栄誉を与えられ、パレードなどにも参加する。
日本では『キャタピラー』で見るような「手と足をもげた丸太にしてかえ」され、リヤカーでお披露目される軍神様か。

これも反戦へのベクトルとは正反対である。

今も著名な戦場での医療者として、フローレンス=ナイチンゲールは知られている。
彼女は、不衛生な現場で死を看取る仕事だったクリミア戦争以前の看護兵の仕事を、衛生面や(不足する物資補給なども含めた)戦場看護の面から、野戦病院システム構築を行う。
具体的には、
陸軍の医療看護制度の改革、
女性看護師の導入、
ナイチンゲール方式による看護師養成学校の設立等で、軍事看護に限らず看護全般は富裕な女性の慈善活動(無償ボランティア)から専門職へと転化する。

これは目前の兵士を救うことにはつながったが、むしろ戦争を助長したのではないのか。
日本の看護師も第1次大戦時にはフランスへ、また戦後の朝鮮戦争でもほぼ徴兵と言えるような強制的手法によって派遣を強いられている。

彼女がやらずとも、医学の発達に伴って現在のような形にはなっただろう。
彼女はいじましい勲章目当ての野郎どものように、名誉のためにそのような役割を果たしてきたわけではない。
それでもシンボルとしての彼女の働きは、決して反戦とは言えない。

ドスも同じく。

となれば全体として本作も反戦映画とはなりえないが、“戦場”を知れば、その悲惨さに本能としてなくすべきだと感じる人が多かろうから、その面から迂遠な反戦映画だとは言えよう。

映画を見た後、三上さんの感想を読んだ。
どこかの引っ掛かりが同じであること、その感性が糸の先程でもリンクしていたことで、安堵する自分がいた。

いろんな場所で話すのだが、
自分は自分の弱さを知っている。

戦場で銃を向けられても撃ち返さない強さはない。

だからこそ、その手前の銃を向け、向けられないようにしなければならない。

それが様々な市民運動で当事者との壁を厚さを知り、現場に立つことができないまでも、殺される側の論理を映像や資料、書籍で知り、それを伝える程度のほんの少しの強さ程度は発揮できるようになってきた、小市民である小さな私の抵抗だから。

50になる私が戦場に行かされることはもうないだろう。
しかし、私よりも若い人たちや子どもたちは行かされるかの可能性がある。
どんなに勇ましい事を言っていても、死ぬまで何度も自ら望んで白兵戦の戦場に行きたいものなどいるはずがない。

その可能性を少しでも減らせる努力を、これからも続けるしかない。
都市生活者として、地球にダメージを与え続けて生き続けるなら、それしか私の生きる価値はないと考えている。

三上さんの感想
三上 智恵
6月30日 の15:01
ハクソーリッジ見てきました
私の4000人もいるお友達には是非是非見て欲しいです
その理由は、沖縄戦をかなり、かなりリアルに体験できるから。
その点だけはお勧めできます

沖縄戦のことにこだわり
当時の映像や写真をよく見る機会のある私には
おかしなところはそりゃ探せばあるけど
そんなことよりこんなに再現してくれて有難うという気持ちでした

この映画の激戦シーンは
沖縄戦の前田高地をめぐる戦いです
30分以上観客は前田の高台に置き去りにされます

住民が4割も死んでいるのに
出てこないとか
そこで牛島司令官が切腹したような演出とかは不満ですが
なにより不満は舞台が沖縄の前田ということを宣伝の中に全く入れてないことなんですが
そんなことよりとにかくPTSD患者が続出したハクソーリッジとシュガーローフの闘いその一つをここまで描いてくれたことに正座してお礼が言いたい気持ちです

私は、艦砲射撃が始まるシーンそれだけでも
お願い、島を撃たないでと歯をくいしばるし
トーチカの中で機関銃を乱射する32軍の姿に
火だるまになって宙を舞う日本兵たちに
なぜか涙が出て仕方なかった

このあとほとんどが死んじゃうと思うからなのか
こんな物量の差があって無謀すぎる戦いを強いられた彼らが
かわいそうで仕方ないからなのか
今取材している少年兵もこんな状況を味わったのかなとつなげちゃうからなのか
わかんないけど
考えるだけでもう
喉の奥を鉄の熊手で引っ掻かれてるように苦しくて泪そうそう
アメリカ軍兵士たちへ思い入れするようにそのシーンまではちゃんと運ばれてきてるんだけど
そんなの無理で
こんなに太った日本兵いないよ
日系俳優もっと選んだ方がいいよ
とか
作り物なんだから、泣くな、バカかと思うんだけど
火炎放射器が壕の中に入れられるシーンを壕の中から目線で見せられた日には失神寸前
文子おばぁには絶対見せられません

あああ
命磨り減った
奥歯も磨り減ったよ、ギブソンさん

映画全体の評価は個人でかなり分かれそうな映画でこの先は、これから見る人は読まないでいいかもですが、、、、、、

私は信念を貫いたヒーロー像を好意的に見ようと頑張りましたが彼は信仰の人であっても反戦の人ではなかったところ
自分は殺さないけどそれは個人の信仰上の理由であって隣でガンガン人を殺す戦友を止める気はまるでないこと
その時代としては戦場に行くが戦わないというだけですごいことだったのかもしれない
と、主人公を好きになろうとしたが
それでも、最後の実物のインタビュー「死んだ戦友こそ英雄だ」という言葉で二時間あまりの努力は瓦解しました

やっぱり、宗教の違いなんでしょうか
私には理解しにくいヒーロー像でした

しっかしストーリーはさておき沖縄戦の地獄を戦争のリアルを体験しに是非映画館へ行って欲しいです

広告

投稿者:

watchdogkisiwada

岸和田市の財政位破綻を止める!! 財政破綻が明らかになるほど税金を食いつぶされながら、議会も見て見ぬふりをする 土建屋ファーストな市政を正す!! あまりにもひどすぎる馴れ合い議会がチェックしていない、議員特権や行政の無駄などを、岸和田で初めて私が追及、是正させています。 あなたの“かかりりつけよろず相談員”としての使命に励みます!! 行政書士としてトラブル予防を、 防災士として防災や防犯を、 柔道整復師として健康について、 ご相談、承ります。 情報、批判はコメントいただくか、 メールアドレス:kurohata73@yahoo.co.jp 電話:080-6178-6006まで! 岸和田市議や市長らは私の追及に逃げまどっていますが、自民・公明・維新などのネトウヨ政治家だけでなく、共産・民主他どんな議員とも公開討論、受けて立ちます!! 【メディア出演】 TBS「ビビット」、MBS「VOICE」、ABC「キャスト」他ニュース 読売・産経・朝日・毎日の各新聞社で、その活躍は、度々紹介されています。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中