2015.02.16 (ジャーナリスト・安積明子)
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150215/plt1502150830001-n1.htm
「高齢者はともかく、新しい世代の外国人にまで生活保護を適用すべきなのか。もう一度、考えるべきです」
片山氏はこう語る。
昨年10月時点で、生活保護を受給している世帯は161万5240世帯と、過去最多となった(厚労省1月発表)。2010年の調査による、国籍別の世帯数と生活保護受給世帯数、受給率は別表の通り。日本人の世帯に比べて、韓国・朝鮮籍、フィリピン籍世帯の受給率が高いことが分かる。
1950年に制定された生活保護法は、対象を「生活に困窮する国民」としている。最高裁第二小法廷も昨年7月、「外国人は生活保護法に 基づく生活保護の受給権を有しない」と判断した。
ところが、4万を超える外国籍世帯が生活保護を受給している。
片山氏は「厚生省社会局長名で54年5月に出された『生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について』という通達が理由です。51年のサンフランシスコ講和条約によって、日本国籍を失った韓国・朝鮮籍で生活に苦しい人々を、人道的かつ治安上の観点から“当分の間”保護したのです」という。
65年に日韓基本条約が締結され、両国間の請求権問題は完全かつ最終的に解決された。韓国籍の生活保護は韓国政府が支払うのが当然との考え方もあった。片山氏はいう。
「同時に締結された日韓法的地位協定で、『日本に永住する韓国人には教育、生活保 護、国民健康保険について考慮しなければならない』とされ、協定議事録で生活保護は“当分の間、従前通り”とされました」
「当分」の措置が50年間も続いていることは異常だ。加えて、韓国・朝鮮籍以外の外国人を保護する必然性はまったく感じられない。
片山氏は「すでに戦後70年、日韓国交正常化50年を迎えました。韓国では『韓国国民と結婚し、かつ韓国国籍の未成年を養育している』場合だけ、外国人に基礎生活保障を認めています。国際化という観点では相互主義を考えてもいい。制度の抜本的見直しが必要です」と語っている。
(引用ここまで)
こんな「片山氏はいう」などと本論の肝心な主張について、デマだと指摘されても「だって片山氏の言で、私はそれ をコピペしただけ」などとズラを打つ準備をして書く人を、間違っても「ジャーナリスト」などとは言わない。
フジ系列のネトウヨ書き手は、その調査能力不足を肩書で飾る癖があるようだ。
言は片山氏のものであっても、本文の論調や、なぜ片山発言を題材にしているのか、言葉の全文でなく、なぜその部分だけ抜き出しているのかなどの面で、書き手は言い逃れなどできないことすら知らんらしい。
恥を知らぬ政治家を、同類の者が持ち上げる醜い構図だ。
そして発言主であるこのレイシストは、職業差別や、年金や保険制度から排除しておいて、在特会並みの発言をする。
しかし、1982年当時、36歳以上の人たちは60歳までに年金受給に必要な25年間の掛け金期間を満たせないという理由で老齢年金から排除されました。
現在、推定約6万人の在日コリアン高齢者が無年金者であり、約3千名が障害基礎年金から排除されたままです。
1965年に締結された日韓条約の日韓法的地位協定による協定永住資格(韓国籍のみ)の保有者に対して国保への加入が認められました。
「朝鮮」籍の場合は、1970年代に入って条例を定めた市町村において加入できるようになりました。
在日コリアンはそれまで、保険証がないため医療費を全額払わねばならなかったのです。
新聞・TVといったメディアグループのフジでは報道せんかったんかね?
原記者の「医療・福祉のツボ」
2016年12月22日 原昌平
これは、きわめて粗っぽい試算で、保護割合の数字はあくまでも参考程度です。というのは、分母の数字の信頼度が足りないからです。国勢調査の外国人(調査対象は3か月以上の居住者)には、生活保護の適用対象にならない在留資格の場合も入っています。同時に国勢調査では、日本人か外国人か不詳な人が105万人余りもいるので、本当は外国人の数がもう少し多いかもしれません。また被保護者調査、国勢調査とも、世帯員の人数には日本人を含む場合があることに、改めて注意してください。
それでも韓国・朝鮮人、フィリピン人が世帯主の世帯は、保護を受けている割合が高そうなのは確かです。どう考えればよいのでしょうか。
韓国・朝鮮人が世帯主の世帯に注目しましょう。高齢者世帯(65歳以上だけの世帯)の割合が59.7%と高く、世帯全員の年齢構成を見ても65歳以上が56.5%を占めます。しかも単身世帯が80.5%と大部分です。
要するに、在日コリアンの生活保護で圧倒的に多いのは、高齢の単身者です。日本人以上に高齢が生活保護の大きな要因になっています。より詳細に在日韓国・朝鮮人全体の年齢分布と、保護世帯の年齢分布を比較すると、若年層、中年層の保護割合はさほど高くないけれど、高齢者は保護割合がたいへん高いことがうかがえます(詳細な試算の説明は、スペースの関係で割愛します)。
それに比べ、フィリピン人が世帯主の保護世帯は、母子世帯が6割を超え、世帯人数が多く、19歳以下の子どもが半数以上を占めています。日本人の夫と死別・離別したケースが多いと思われます。ベトナム人、ブラジル人の場合は、ひとり親に限らないけれど、子どものいる世帯が比較的多いことがわかります。中国人(台湾を含む)が世帯主の場合は中高年が相対的に多めで、傷病世帯が目立ちます。