防災講義後の質疑応答で、緊急事態条項のデマを暴く

前回のような講習後、質問の時間が設けられたので、挙手する。
Q1. 〈たとえば、東日本大震災の時、被災地ではガソリンなど緊急車両でさえガソリンが足りなくなりました。一方、被災地以外ではガソリンが必要な所に行きわたらず、 本来なら救急車で運ばれ助かっていたかもしれない命も多く亡くなりました。そのような直接、地震や津波などで亡くなったわけではない「震災関連死」は、 今回の震災で千人以上と言われています。by『まんが女子の集まる憲法おしゃべりカフェ』〉
などのデマを流してでも改憲をもくろむ安倍政権の姿が見られるが、災害対策に関して、法が抜け穴だらけで、憲法改正が必要となっているのか?

A. 憲法改正など全く必要ない。
講義で示したような支援金などについての不足はあるが、緊急時には対応できるよう法整備が行われている。

これについては、講義後、わざわざ私の席まで山崎さんは来てくれ、その著作で再確認してくれと示した。

緊急事態条項の何が問題か   関西学院大学災害復興制度研究所

緊急事態条項の何が問題か -
緊急事態条項の何が問題か –

また、報道特集の検証について反論が見られるので、それにも一言書いておきたい。
【正論】一方的資料で緊急事態条項に反対したTBS報道特集 「燃料不足と震災関連死は無関係」に異議 日本大学教授 百地章 – 産経ニュース
2016.5.17 09:43 
より
4月30日放送のTBS報道特集「憲法公布70年『緊急事態条項』は必要か」がネットで話題になっている。

 番組によれば「岩手・宮城・福島の被災3県にある全36の消防本部に取材したところ、燃料不足によって救急搬送できなかったという回答は1件もなかった」という。そしてそれを根拠に、緊急車両がガソリン不足で出動できず、被災者の命を救うことができなかった、などといった事実は存在しないとし、ガソリン不足による震災関連死を指摘した『まんが女子の集まる憲法おしゃべりカフェ』(筆者監修)の記述についても疑問を呈した。

~中略~
 果たしてこの主張は正しいのか。争点は、第1に「そもそもガソリン不足によって緊急車両の出動に支障が生ずることなどあったのか」、第2に「ガソリン不足に起因する震災関連死は本当に存在したのか」というこ とになろう。
 そこで以下、再検証を試みることとする。

 その際、大切なことは、震災後5年が経過した今頃になって取材し、その結果得られた消防本部からの回答だけで結論を下すのではなく、当時の新聞報道やさまざまな震災報告書なども踏まえて、客観的な検討を加えることである。

~中略~

 復興庁の「東日本大震災における震災関連死に関する報告」(平成24年8月)を見ると、震災関連死は1632人、その中には原因の一つとして「救急車を呼んだが、ガソリンがなく自力で運ぶよう要請があった」(24頁(ページ))ことがはっきりと明記されている。
同報告には、以下のような記述もある。「一般病院(や施設)の機能停止が大きな死亡要因となった。長期間のライフラインの停止、物資や人の支援が遅れたため。背景にガソリン不足がある」(3~4頁)
 震災関連死により245人の犠牲者を出した仙台市の「東日本大震災 仙台市被害状況」(平成24年12月)でも、「迅速な対応を阻害した要因」の第1に「燃料の不足」があげられ「重油、ガソリン、軽油、灯油」「非常用発電、緊急車両・公用車・作業車の燃料、避難所の暖房のための燃料が払底」とある。
 さらに、厚生労働省の報告書「厚生労働省での東日本大震災に対する対応について」(平成24年7月)にも、「ガソリン不足による給 油制限のた め、発災後初期には医薬品等の被災地への広域輸送や現地卸業者による医療機関等への搬送に支障が生じた」(15頁)とある。
 このようにガソリン不足が直接ないし間接の原因となって、多くの震災関連死が発生したであろうことは、さまざまな資料によって証明ないし合理的に推測できる。
 次に、震災当時、ガソリン不足により緊急車両の運行に支障があったのか。この点は以上に加え、報道からも明らかである。
 当時の新聞を見ると、「緊急車両もガソリン不足」(読売3月16日)「ガソリン枯渇深刻」(河北新報3月16日)「緊急車両は優先的に給油できたものの、台数が多くて供給が追いつかない」(河北新報社『東日本大震災全記録』209頁)などといった記事が各所にみられる。
 米紙ウォールストリート・ジャーナル(3月22日、日本版)にも「深刻なガソリン不足が救援活動の妨げ-東日本大震災」と題する以下の記事がある。
「深刻な燃料不足が、東日本大震災の救援活動の大きな妨げとなっている。当初の地震や津波から1週間以上がたつが、被災地ではガソリン不足のため生存者の捜索や食品などの生活必需品の配送が遅れ、灯油の足りない避難所では被災者が凍える日々を過ごしている」
~中略~

 筆者はこのような東日本大震災の経験を踏まえ、多くの国民の命と安全を守るためにはガソリンなどの物資の統制が必要だったこと、しかし憲法で保障された国民の権利や自由を制限し物資の取引制限を行うためには、単に法律によるのではなく憲法上の根拠が必要であり、緊急事態条項を設けるべきである-と訴え続けてきた。
(引用ここまで)

復興庁などの報告を根拠としているが、この「緊急車両」は具体的にどこの何を指すのか?
救急車を出動させているのは市町村やそれらからなる広域消防であり、『報道特集』では被災3県全てに取材しているが、そんな証言は得られていない。
ならば、いずれかの報告が間違っているのだ。

復興庁は国の機関であるので、国会質問から見る。
3月30日参院災害対策特別委員会の答弁でも、広田一(民進党・新緑風会)参議院の質問に土屋正忠・総務副大臣が被災3県36消防本部の報告のまとめとして、燃料不足が原因で出動できなかった緊急車両はなかった。但し震災後のパトロールを減らした例はあったと述べている。

参議院議事録
40番より 広田:
 東日本大震災の直後、ガソリン不足とか灯油不足などが発生して大問題になりました。当時、私も防衛大臣政務官を務めておりましたけれども、これは非常に大問題だというふうなことを認識をしたところでございます。
 ここでお伺いしますけれども、これらの不足によりまして、例えば救急車などが出動することができなかったという事実はあるんでしょうか。

土屋: ガソリン不足が発生して救急車などの緊急車両が出動できなかったという事実はあるかという御質問でございますが、岩手、宮城、福島、被災三県、それぞれ十二消防本部、合計三十六消防本部に調査をいたしましたところ、東日本大震災の直後において、燃料不足によって消防本部の消防用自動車が出動できなかった事例はないと聞いております。
 ただ、一部の地域において、燃料不足により、消防団が保有するいわゆる非常備消防の消防用自動車が見回りのための出動回数を、なくなるといけないと思って、いわゆるおもんぱかって回数を減らしたと、こういう事例はあるようですが、いわゆる正規消防の消防本部ではございません。

広田: 今御答弁がございましたが、救急車の出動についてはこれはなかったというふうなことでございますが、これらも踏まえまして、ガソリン不足等の教訓で何らかの法制上の対策であるとか、そして備蓄や運搬などについて講じられた対策は一体何であるのか、お伺いをしたいと思います。

政府参考人 藤井敏彦 資源エネルギー庁資源・燃料部長:
 東日本大震災の経験を踏まえまして、災害時に被災地への石油供給を円滑に行うため、平成二十四年に石油の備蓄の確保等に関する法律を改正をいたしております。
 具体的には、従来、海外から原油の輸入が途絶する事態に限定をされておりました備蓄石油の放出の要件を見直し、災害によって被災地等の特定の地域における石油の供給が不足する場合においても放出ができるようにいたしました。

また、石油会社に対して、災害時に被災状況や復旧に関する情報を共有し、共同で相互の製油所、油槽所などの設備を利用するといった、企業の枠を超えて被災地に速やかに石油を供給するための計画をあらかじめ共同で作成させまして、災害時に経済産業大臣の判断によりその実施を勧告できるようにする等の対策を講じております。
 こういった対策を通じ、将来の災害に備え、被災地へのガソリン等の安定的な供給の確保に努めてまいりたいと考えております。

広田:
東日本大震災の教訓を踏まえて、法制上、そして関係団体、業界とも更なる連携を密にして取組をするということで対策を講じているというふうに理解をしたところでございます。

 次に、東日本大震災直後、これも問題になったのが、被災地において道路上に車両が置かれてしまって、例えば避難所などに救援物資というものを届けることができなかった、そういった事例はあったんでしょうか。

国務大臣 河野太郎 国家公安委員長 行政改革担当大臣:
東日本大震災の直後、地震もそうですが、津波がございましたので、多くの道路は津波によって瓦れきに覆われているという状況でございました。
ですから、道路上の車両ということでは個別具体的にはなかなか把握をできておりませんが、災害時にそうした人員、物資の輸送を行う緊急通行車両の通行を確保することは極めて重要であります。東日本大震災においても、道路の啓開が迅速に実施されました。
 政府としては、首都直下地震で想定される放置車両による深刻な道路麻痺、交通麻痺、あるいは平成二十六年二月の関東甲信地方の豪雪により多数の立ち往生車両が発生したことを踏まえ、平成二十六年十一月に災害対策基本法を改正し、立ち往生車両や放置車両対策を強化をいたしました。
また、昨日二十九日に、中央防災会議幹事会で決定した首都直下地震における具体的な応急対策活動に関する計画等において、被災地域に到達するために通行を確保すべき道路を緊急輸送ルートとしてあらかじめ定めるということを教訓を踏まえてやってまいったところでございます。
(引用ここまで)

これで百田主張もデマだと分かる。
また産経では、拡大解釈して震災関連死を膨らませるような記述も見られるが、震災死 を過少解釈して不支給としているのは各市長らで、それらは安倍政権が選挙時に応援した候補ではないのか?

東日本大震災における災害弔慰金不支給に係る訴訟の事例
より
市町名 判決内容 判決日 対象者 死亡理由
① 福島県いわき市 請求棄却(福島地裁)
2014年5月27日男性65歳 2012年5月29日に自殺

② 宮城県仙台市 請求棄却(仙台地裁)
2014年9月9日 男性76歳 2011年10月20日に胃がんにより死亡

③ 宮城県仙台市 不支給決定取り消し(仙台地裁)
2014年12月9日 女性85歳 2011年8月に敗血症にて死亡

④ 宮城県美里町 不支給決定取り消し(仙台地裁)
2014年12月17日 男性99歳 2011年3月18日に脳梗塞により死亡

⑤ 宮城 県亘理町 請求棄却(仙台地裁)
2015年1月21日 女性76歳 2011年7月29日に肺炎で死亡

⑥岩手県陸前高田市 不支給決定取り消し(盛岡地裁)
2015年3月13日 男性56歳 2011年12月28日に心疾患により死亡

⑦岩手県釜石市 請求棄却(盛岡地裁)
2015年4月23日 男性80歳 2012年3月26日に胆のう腫瘍により死亡

かように調べればすぐわかるようなデマを吐くのが、百地流儀だとの証明をしてみたわけだが、
百地氏と言えば、2015年6月10日の衆院平和安全法制特別委員会で、
辻元清美衆議員から「(集団的自衛権を合憲とする憲法学者が)こーんなにいる、と示せなければ、法案は撤回した方がいい」と指摘された菅義偉・官房長官が「たくさんいる」としながらも、後に「10人ほど」とし、「集団的自衛権 を合憲とする憲法学者の具体名」として実名を挙げたうちの一人だ。

長尾一紘・中央大名誉教授
百地章・日本大教授
西修・駒沢大名誉教授

百地氏だけは「名誉」と付かないが、ネトウヨと大差ない説を唱える学者など、こんなもんだろう。

もう一点。
燃料不足で、被災地に様々な不都合が生じたとの記載は確かだろう。
だが、緊急事態条項で、政府が燃料統制すれば解決するのか?
燃料不足の原因は、自治体やガソリンスタンド、石油業者などの備蓄不足や交通網・ライフラインの寸断ではないのか?
であるならば、政府が関与できるのか?
政府としての備蓄は行われているが、まさか法で地方自治体や各地のガソリン業者にまで強要するのか?

独立行政法人石油天然ガ ス・金属鉱物資源機構[JOGMEC]
によれば、
石油備蓄については、国の直轄事業として実施している国家備蓄と、民間石油会社等が法律により義務付けられて実施している民間備蓄の2本立てで進められており、
国家備蓄は、全国10カ所の国家石油備蓄基地と民間石油会社等から借上げたタンクに約4782万klの原油および石油製品が貯蔵。
民間備蓄は、備蓄義務のある民間石油会社等により、約3288万klの原油および石油製品が備蓄されています。
その量を備蓄日数に換算すると約197日分(2015年3月末現在)である

とされている。

説明が長くなった。

もう一問、東日本大震災では、避難所で女性の着替え用のスペースを確保したら、オッサンが「なぜ女性だけ専用の場 所があるのか? 男性差別だ。」と抗議してきたり、アジア人が多い外国人妻が言葉でも不自由しているのに、2重の差別を受け、虐げられた。
普段との違いに対応できず奇声を発する知的障がいのある人や、精神障がいのある人、福祉の網から外れて手帳を持たないけれど支援の必要な人、ペット同伴者なども、避難所からは追い出されたが、どう防ぐかといった質問もした。
これは行政と地域で、事前に要配慮者の確認をし、避難所運営のシミレーションで当事者に来てもらって問題点を指摘してもらうなど、事前から取り組むしかなく、難しい問題だとの回答を得た。

講義後、私の席に来てくれた山崎さんに私は
「議会質問と同じですわ。
更に説明として、「私は緊急事態条項について、改憲不要なのはわかっています。 質問をしたのは、この会場を見てもらえばわかるように、年配の男性ばかりであり、土地柄もあって安倍信者率が高いので、講師から否定してもらって、安倍政権のデマを知ってもらいたかったから。
女性や外国人妻、障害のある人への差別も、この会場のおじさん方は日頃しているでしょ、との意味を込めて質問 しました。」
と説明して、理解してもらったのでした。

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投稿者:

watchdogkisiwada

議会の無駄遣いを正して、府下ワーストに高い国保・介保料の値下げや、子ども・高齢者施策など、市民利益への還元を! あなたの“かかりりつけよろず相談員”としての使命に励みます!! 行政書士としてトラブル予防を、 防災士として防災や防犯を、 柔道整復師として健康について、 ご相談、承ります。 放漫市長と議会が大赤字にした岸和田市政を立て直す!! あまりにもひどすぎる馴れ合い議会がチェックしていない、議員特権や行政の無駄などを、岸和田で初めて私が追及、是正させています。 情報、批判はコメントいただくか、 メールアドレス:kurohata73@yahoo.co.jp 電話:080-6178-6006まで! 岸和田市議や市長らは私の追及に逃げまどっていますが、自民・公明・維新などのネトウヨ政治家だけでなく、共産・民主他どんな議員とも公開討論、受けて立ちます!!

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