被災者支援の法制のあり方

過日、山崎栄一・関西大学社会安全学部教授の講義を聴く機会があった。
テーマは、被災者支援の法制のあり方。
 
氏には、『自然災害と被災者支援』との著作があり、その内容を講義された。
 
1. 災害救助法
実際の救助活動を行う市町村が、予算の心配なく災害救助の専念できるようにした法。
立て替え払いだが、国と県が半分ずつ費用負担するので、市町村が「予算がないから救助したくともできない」とならずに済む。
一般基準として使い道や金額上限が決められてはいるものの、例外として特別基準があり、電話やFAX申請もできる。
東日本大震災では、仮設住宅について、被災地以外での積極的受け入れやホテルも利用された。
画期的だったのは、民間賃貸住宅や空家の借り上げ(仮設住宅でなくともよい!)だが、これによって被災者が埋没し、近隣の人々に被災者だと分からず、その後の支援案内が不十分になったり、孤立しやすくなり、新しく支援が必要な予備軍となることもあった。
行政職員もこの法制度を周知しておらず、そのため住民が過酷な避難生活を強いられることもある。
これによって最悪の場合は、高齢者や障がいを持つ人々の震災関連死に繋がりかねず、そのような“人災”から被災者を守らねばならない。
東日本大震災時には、約3割が避難所等における生活の肉体・身体的疲労によるものであった。
ストレスに起因する死も震災関連死と認知される場合もありうる。

2. 被災者台帳システム
災害後の被災者支援を円滑に進めるために作成される台帳。
被災者の被災状況・支援状況を把握することができる。

新潟県中越地震(2004年)で、各市町村の家屋被害の判定方法がばらついたり、罹災証明書の発行業務が混乱したりしたため開発された。現在、防災科学技術研究所(茨城県つくば市)などが管理

2004年の新潟県中越地震で、各市町村の家屋被害の判定方法がばらついたり、罹災証明書の発行業務が混乱したりしたため開発された。
現在、防災科学技術研究所(茨城県つくば市)などが管理している。

被災しなければ支援の仕組み自体が不明だが、「抜け・漏れ・落ち」のない被災者支援を展開するには台帳の導入は不可欠。
市町村単位で導入されているが、これでは市外・県外避難者は吐くできないので、全国規模で展開し、被災者の把握ができる制度にするべし。

国民保護法こと、「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」は、日本が外国から武力攻撃を受けたときの政府による警報の発令、住民の避難誘導・救援などの手順を定めた法律だ が、トップダウンで行われると明記されている。

3. 被災者生活再建支援法
小田実氏が阪神淡路大震災後、捨て置かれる市民を見て、「」これは人間の国か」とばかりに市民立法として提案した法律。
家屋が大規模半壊から全壊になった場合に支給される。

最大300万円で、地震保険加入は必須。

半壊ぐらいまで要件緩和がなされないと、家屋損壊で困った人の内、支援金を受けられる人は少ない。
都道府県が設立した基金が財源だが、2010年度末で約536億円+同額を国が補助=1072億円と少なく、東日本大震災時には特例対応した。
今後、南海トラフなどの大規模被災があれば、基金はパンクし、支払われない蓋然性がある。

どんな事態でも支出される仕組みが必要だ。

支援金の限界:上限300万円で住宅再建が可能かは疑問があり、被災者の生活再建は補助なされない。


4. 自治体の独自政策
大分県では災害被災者住宅再建支援制度があり、床上浸水50万円~半壊(賃借でも1000万円・持ち家全壊3000万円の支援金支給条例があるが、熊本県にはない。
税でなく義援金からの分配で、全半壊に支援金は支給されている。

東日本大震災時には、住宅再建、県外避難者に対して岩手県や仙台市、徳島県や島根県などが、独自に支援を行っている。
これら条例が支援法の発展を促した歴史からも、復興基金のような形で全国規模で支援が行われるべき。

5.災害時用配慮者政策
原則は公ではなく、自主防災組織として地域の協力、共助による。

阪神淡路大震災では、生き埋めや閉じ込められた時、自力(34.9%)、家族(31.9%)、友人・隣人(28.1%)と、ほとんどが地域での避難支援で助けられている。
同時多発なので、消防や救急は手が回らないし、要請にすぐ応えられない。

中でも自ら避難することが著しく困難な「避難行動要支援者」を名簿化し、普段から避難できるかのシミュレーションをしておく必要がある。

避難については、風水害を想定しており、車利用を中心に考える。
支援される側も常備薬や入れ歯などは自分で用意しておく。

名簿と個人情報:
名簿作成は、市町村に義務付けられており、障がいのある人や要介護者からピックアップされる。
人数は多めとなっているので、自治会などが本人を訪ね、避難支援が必要かを確認し、名簿を精査しておく必要がある。

住民関係構築が原則なので、名簿記載には本人の同意がいる。
プライバシーの問題が生じるので、提供に不安を感じる人向けに、千葉市では想定問答集が準備されている。

東日本大震災時には、行政担当者が情報流出に関して自分のリスクを考え、情報をなかなか提供しなかったので、事前 に提供を受け、要配慮者の状況確認しておく必要がある。

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投稿者:

watchdogkisiwada

議会の無駄遣いを正して、府下一高い国保・介保料の値下げや、子ども・高齢者施策など、市民利益への還元を! あなたの“かかりりつけよろず相談員”としての使命に励みます!! 行政書士としてトラブル予防を、 防災士として防災や防犯を、 柔道整復師として健康について、 ご相談、承ります。 放漫市長と議会が大赤字にした岸和田市政を立て直す!! あまりにもひどすぎる馴れ合い議会がチェックしていない、議員特権や行政の無駄などを、岸和田で初めて私が追及、是正させています。 情報、批判はコメントいただくか、 メールアドレス:kurohata73@yahoo.co.jp 電話:080-6178-6006まで! 岸和田市議や市長らは私の追及に逃げまどっていますが、自民・公明・維新などのネトウヨ政治家だけでなく、共産・民主他どんな議員とも公開討論、受けて立ちます!!

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