アメリカの戦争下請け法案のリスク 自衛隊の構造問題1

私は戦争下請け法案反対デモでも、「自衛官を殺すな!」とのプラカードを持ちます。

最も先に被害に遭うのは、殺し殺される自衛官だからです。


ですが法案賛成者は、自衛官の安全については何も言いません。

まさか死ぬことが兵士最大の勲章とでも思っているのでしょうか?

そんな公言ができるはずがありませんけれど、今回は自衛官のリスクについていくつか書いてみます。

①-1 隊員の人員不足
戦後、自衛隊は予算不足の影響で定員を満たしたことがありません。

自衛隊「リストラ」のまやかし – 清谷信一 |WEBRONZA – 朝日新聞社
2010年11月11日
によれば、

定員充足率の向上を図ってはいますが、実質的には定員の上限を下げているため、自衛隊員数は純増してません。

平成17年度以降に係る防衛計画の大綱(2004年12月10日安全保障会議決定・閣議決定)に基づき、自衛隊の組織の見直しを図り定員を削減した結果、
「平成3年度に27.5万人だった定員は平成20年度には24.8万人になり、約2.7万人、比率にして約9.6パーセント減になっている。だが実際 の人員数である実員は5114人しか減っていない。しかも平均年齢は2.9歳も上昇している。

 削減されたのは士、つまり兵隊だけで、2万人近く減っている。ところが将官・将校に当たる幹部、下士官に当たる准・曹は逆に増えているのだ。」
士はすべて2年契約の契約社員で、係長以上の中間管理職(下士官、管理職(将校)、役員(将 官)は正社員となります。

このリストラで首を切られたのはすべて派遣の平社員ばかりとなり、正社員の数は逆に増えています。
「 自衛隊の定員に対する平均充足率は約93パーセントだが、将官・将校・下士官はほぼ定員いっぱい、あるいは定員より多い階級もある。対して兵隊(士クラス、士長を除く)の充足率は4割程度に過ぎない。

  つまり前線の兵隊がまったく足りない。これでは現場の部隊は、作戦行動はもとより、まともに業務をこなせない。例えばこの比率を陸自の普通科(歩兵)小 隊に当てはめれば充足率は半分である。通常、戦闘部隊は人員の3割を消耗すると『全滅』と判断されて後方で再編成される。つまり現状では戦う前から『全 滅』していることになる。」

日本の防衛は大丈夫か – 東洋経済オンライン
2015年01月26日 清谷 信一 :軍事ジャーナリスト
からも引用します。

単純計算ならば普通科(歩兵)1個小隊は定員30人 の3分の2しかいないことになる。まさに、震災の現場では士の数が足りない状況にある。しかも、自衛隊は予備役の数が少ないので、大震災という「有事」に おいて人的な補充ができない。そもそも曹に対して士の定員自体が少なすぎることも問題だ。

  加えて、自衛隊でも“高齢化”が進行している。若手である「士」の数が少ないために、自衛隊の平均年齢は2008年度で35.1歳と高い。ちなみに英軍 は30.5歳と自衛隊よりも5歳以上も若い。また1991年度の自衛隊の平均年齢は32.2歳だったので、これと比べても高くなっている。

1991年度から2008年度までに定員は2万9552人減っている。ところが実員は5114名減に留まっている。しかも実際に減ったのは2年契約の任 官自衛官である士クラス、3万9457人だけ。対して将官を含めた幹部は逆に1734人、曹クラスは1万2892人も増えている

現状の放漫予算を放置するならば、数年後には防衛予算を編成することすら危うくなる。必要な装備を調達し、それを維持し、充分な訓練を行う予算が確保でき なくなる。人件費は退職金などで今後も増加する(グラフ4)。装備が高度化したことで、装備の修理維持費が装備調達費を追い抜いている。しかも装備調達費 は、“後払い”である後年度負担が膨らみ、柔軟性を欠いている。その上アラブの政情不安で燃料費は高騰している。
(引用ここまで)

14年度末現在のデータでも見てみます。

自衛隊の定員は陸、海、空合計約24万7000人となっていますが、実際の人員は2万人以上少ない約22万6000人です。
特に若手が担う下位階級の2士、1士、士長は定員の74%しか確保できていませんし、防衛大学校では、集団的自衛権を巡って憲法解釈が変更された昨年度、任官拒否者が前年の10人から25人に急増しています。

あかりちゃんも言っていますが、徴兵制度でなくとも、ブラック国家によるブラック企業応援やブラック社会福祉制度の推進で、“経済的徴兵制”へと自然に変えていくのは、政府にとって難しくはないでしょう。

特集ワイド:狙われる?貧困層の若者 「経済的徴兵制」への懸念 – 毎日新聞
2015年07月23日 夕刊 【小林祥晃】

では、アメリカの例を用いて、日本の懸念が描かれます。
世界の兵役拒否制度を調べている京都女子大の市川ひろみ教授(国際関係論・平和研究)によると、米国が徴兵制から志願制に切り替えたのはベトナム 戦争から米軍が撤退した1973年。その後、フランスも90年代半ばに、イタリア、ドイツは00年以降、相次ぎ志願制になったという。「徴兵制の廃止や停 止は世界的傾向です。無人機の登場に象徴されるように、大勢の兵士が総力戦にかり出された第二次世界大戦期などとは、戦争のあり方が激変したのです」と説 明する。

米軍には、国防総省が奨学金返済を肩代わりする制度や他にも、除隊後の大学進学費用を支給する高卒者向けの制度もある。
「若い入隊者の多くは、こういった学資援助の制度に引かれて志願しますが、入隊期間などの支給条件が厳しく、奨学金や進学資金を満額受給できるのはごく一 部」、
「社会保障費や教育費の削減とともに、経済的困窮者の入隊が増えたのです。特に08年のリーマン・ショック以降、軍は入隊の年齢制限を緩め、若者だけでなく中年の兵士も受け入れています」(堤未果さん)

日本でも、労働問題に詳しい熊沢誠・甲南大名誉教授は「自衛隊に入らないと食べていけないという状況には、すぐにはならないだろう」と断りつつ「生活苦の 学生を狙った『ブラックバイト』が問題化していることも考えると、奨学金免除などの露骨な優遇策をとれば、志願者は増えるのではないか」と危惧する。

実際に貧困と自衛隊を結びつけて考えざるを得ない出来事も起きている。
「苦学生求む!」というキャッチコピーの防衛医科大学校の学校案内ちらし。
「医師、看護師になりたいけど…お金はない!(中略)こんな人を捜しています」との言葉もある。
作製したのは、自衛隊の募集窓口となる神奈川地方協力本部の川崎出張 所。川崎市内の高校生らに自衛隊の募集案内などとともに送付したものだ。

防衛医大は、幹部候補を養成する防衛大学校と同じく学費は無料、入学後は公務員となり給与も出る。
ただし卒業後9年間は自衛隊に勤務する義務があ り、その間に退職する場合は勤務期間に応じて学費返還(最高で約4600万円)を求められる。

同出張所は「経済的理由で医師や看護師の夢を諦めている若者に『こんな道もあるよ』と伝えたいと思い、独自に考えた」と説明する。とはいえ、卒業生は医 官などとして最前線に派遣される可能性は当然ある。ネット上の批判について、担当者は「考え方の違いでしょう」と話した。

一方、昨年5月には文部科学省の有識者会議で奨学金返済の滞納が議題に上った際、委員を務めていた経済同友会のある副代表幹事(当時)が無職の滞納者に ついて「警察や消防、自衛隊などでインターンをしてもらったらどうか」と発言し、一部の識者らから「経済的な徴兵に結びつく」との声が出た。
実際に そのような検討はされていないが、既に自衛隊には、医歯理工系学部の大学3、4年生と大学院生に年間約65万円を貸与し、一定期間任官すれば返済を免除す る「貸費学生」制度がある。熊沢さんはこう話す。
「若者の学ぶ機会を広げる奨学金はそもそも無償化すべきだ。国が喜ぶことをすれば返済を免除するという手法は、不当な便益供与で好ましくありません」

市川さんは、米国で対テロ戦争の帰還兵に聞き取り調査した経験からこう話す。
「犠牲者が出ても、志願制ゆえに一般の人は『自己責任』と考える。派 遣された兵士が百数十万人といっても、人口比では1%未満です。多くの人は帰還兵の心の病の問題には無関心でした」。
経済的徴兵で傷ついた人たちは、社会からも置き去りにされるのか。
(引用ここまで)

この“経済的徴兵”、根拠はこれでした。
「経済的徴兵制」 日本学生支援機構・委員がマッチポンプ
2015年6月26日 23:24
より。

文科省の有識者会議で「経済的徴兵制」を促す発言をしていた人物が、奨学金を貸し付ける日本学生支援機構の運営評議会委員であることが、山本太郎事務所の調べでわかった。
ヤミ金業者が貧乏人にカネを貸し付けておいて、払えなくなったら「カラダで返してもらおうじゃねえか」と脅して風俗に売り飛ばすのと同じ構図だ。マッチポンプでもある。

 この人物は奨学金の貸付を主たる事業とする「日本学生支援機構」の運営評議会委員にして経済同友会・前副代表幹事の前原金一氏。
前原委員は昨年5月開かれた文科省の「学生への経済的支援の在り方に関する検討会」で「返還の滞納者が誰なのか教えてほしい…(中略)防衛省など に頼み1年とか2年とかインターンシップをやってもらえば就職は良くなる。防衛省は考えてもいいと言っている」と発言していた。(文科省議事録より)
(引用ここまで)

学生への経済的支援の在り方に関する検討会(第11回)議事録 :文部科学省(2014年5月26日開催の会合)

での発言をした、前原金一氏は住友生命の常務取締役などを務めた人物で、所属する経済同友会では、麻生財務相に対して、こんなトンデモ提言をしています。
「消費税率を今後、段階的に17%まで引き上げることや、医療や介護など社会保障分野で大胆な改革を行い、毎年5000億円の歳出削減を行うべきだとしている。
そのため、医療費の自己負担を70歳以上でも3割にすることや、介護サービスの自己負担を2割にすることなどを求めている。」

「消費税率17%に」経済同友会が提言 |日テレNEWS24
2015年3月3日 21:50
より。

こんな企業がのさばる、株式会社日本国。
私は以前から、「オウム真理教を嗤えるのか? 日本社会こそが会社真理教信者国家ではないのか?」と言うておりますが、経団連などの組織は、まさしく「企業栄えて国民滅ぶ」を地で行く恐ろしい組織ですね。
青年会議所に票集めに行く議員は、自民、民主問わずにいますが、そんな政治家もこのような思想を政策に推進させるために議員となっているのでしょう。

そして、「人集め」はこんな形でも行われつつあります。

防衛省が自衛隊施設の建設工事を発注する際、災害など緊急時に自衛隊の応援要員となる予 備自衛官を雇用している企業を優遇する落札方式を7月の公告から導入することが9日、分かった。自衛官OBが採用対象者となる予備自衛官と即応予備自衛官 は平成26年度末現在で計約3万7千人で、定員(約5万6千人)の3分の2程度にとどまっており、定員充足率を高めるのが狙いだ。

予備自衛官採用企業を優遇 防衛省、7月の工事発注から – 産経ニュース
2015.6.10 05:00
より

これ自体が既に“経済的徴兵制”だと考えますが、こんな小手先の策を弄しても、リスクが高まれば、人は集まらなくなります。
防大生の任官拒否増加を前述していますが、幹部候補生も同じでしょう。

少子化の人不足に政府はどうしているでしょうか?
安保法制審議の影で、既に派遣法改正法は通過しました。
介護報酬切り下げ、残業代未払法案(ホワイトカラーエグゼンプション)、労働者のあんにな首切りをはした金で許す判決の積み重ね、各地を企業天国にする国 家戦略特区、TPPなど次々に進められてゆく米国型株主至上主義政策によって、医療や社会保障がドンドン切り崩されています。

このようにメシを食えなくしておいて、「自衛隊があるよ」との甘言を用いれば、徴兵制は不要です。
こんなマッチポンプ政府に「国民は未来永劫だまされ続けよ」との自公政権の詐欺政治をいま許せば、取り返しがつきません。

広告

投稿者:

watchdogkisiwada

議会の無駄遣いを正して、府下ワーストに高い国保・介保料の値下げや、子ども・高齢者施策など、市民利益への還元を! あなたの“かかりりつけよろず相談員”としての使命に励みます!! 防災士として、あなたの命を災害や犯罪から守り、 行政書士として、トラブルを予防し、 柔道整復師として、健康に過ごすお手伝いをし、 市民として、行政や議会を正しています。 【メディア出演】 TBS「ビビット」、MBS「VOICE」、ABC「キャスト」他ニュース 読売・産経・朝日・毎日の各新聞社で、その活躍は、度々紹介されています。 放漫市長と議会が大赤字にした岸和田市政を立て直す!! あまりにもひどすぎる馴れ合い議会がチェックしていない、議員特権や行政の無駄などを、岸和田で初めて私が追及、是正させています。 情報、批判はコメントいただくか、 メールアドレス:kurohata73@yahoo.co.jp 電話:080-6178-6006まで! 岸和田市議や市長らは私の追及に逃げまどっていますが、自民・公明・維新などのネトウヨ政治家だけでなく、共産・民主他どんな議員とも公開討論、受けて立ちます!!

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中